PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


海牙さんが煥先輩に断りを入れて、画面をいちばん上までスクロールした。


小夜子のメールアドレスに、眉をひそめる。



「見たことのないサーバーですね。国籍も不詳。まあ、メールも突き詰めれば電気信号の組み合わせだから、怪奇的なメールだって案外簡単に作れます。

彼女は不老不死の人外のようですが、機械は人間より正直だから、乗っ取りやすいのかもしれませんね」



煥先輩はスマホを手元に戻した。


親指が何かの操作をして、再び画面がわたしたちに向けられた。


「異常なんだ。ブルームーンからのメール。送信日時を見てくれ」



受信メールのリストが表示されていた。


煥先輩は普段はメールを使わないみたいで、最新の七通はすべて同じアドレス、ブルームーンからのものだった。


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