PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


「解説どーもありがとー。月姫ちゃんも号令《コマンド》使えるわけね。おれの能力って何なの? 平井のおっちゃんも使えるし。レア度、低すぎじゃん」



海牙さんが長江先輩の肩をポンと叩いた。



「語学系が得意っていうおまけがあるでしょう? 十分じゃないですか」


「話す・聞く・読むはできるけどさ、書けるわけじゃないんだな~。テストでいい点取れないんだよね」


「そこは頑張りましょうよ。ぼくだって、理系科目のテストでは無駄な筆記をしてますよ。計算の途中経過を書くの、面倒くさいのに」



煥《あきら》先輩がうんざり顔で、校門の柵に手を掛けた。



「点数の話なんかどうでもいいだろ。門の鍵が閉まってるが、どうする?」



校門も、敷地を囲う塀も、三メートルくらいの高さがある。


とてもじゃないけど登れない。


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