PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
首をつかまれた。
真綿のような何かによって、ふわふわと、でも確かにじわじわと、つかまれた首に力が加えられる。
「な、何、これ……」
わたしは目を開いて、見た。
金色の靄《もや》のような輝きのかたまりが、わたしの首を絞めている。
「やめろ」
低く鋭い声が、むち打つように響いた。
煥先輩が小夜子の手首をつかんだ。
首のまわりの圧迫が消えた。
小夜子は煥先輩を見上げた。
「四獣珠はわたしを見逃さず、わたしを滅ぼしたいんですね。煥さんも、わたしと対立してしまうの?」