PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「やめてっ!」
わたしは叫んだ。
ポーチから青獣珠が飛び出す。
手に吸い付くようにグリップが馴染む。
青い刃がきらめいた。
小夜子がわたしを振り返った。
微笑みが消えた。
「青龍、あなたの指図は受けない。あら、朱雀も玄武もわたしの邪魔をするの?」
長江先輩が朱いツルギを、海牙さんが黒いツルギを、それぞれ構えた。
「願いのチカラを乱用する。きみの恋路は応援できないね」
「煥くんの戦力を封じた上で、この展開。ちょっと計算高すぎませんか?」
そう、と小夜子がつぶやいた。
小夜子の右手が月の光を差し招く。
その手に、長大なツルギが握られた。