PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―

「狂ってる……」



初めてこの屋上で話したとき、長江先輩が問題提起してみせた。


ツルギは何のためにあるのか?



それは、殺すためだ。


ツルギは人を殺すための武器。


四獣珠がツルギに姿を変えたのもそう、違反者を殺すという役割を果たすためだ。
 


夜子のツルギが振り下ろされる。


間合いなんて関係ない。


太刀筋が生む衝撃波がまっすぐ飛んでくる。



海牙さんがわたしを抱えて跳んだ。


長江先輩は転がってよけた。



第二波が来る。


長江先輩の脚に衝撃波が触れた。



「痛てッ!」



制服が裂けた。じわりと赤がにじむ。



「長江先輩!?」


「電気ショックって感じ。バチッと来た」




長江先輩が立ち上がろうとする。


痛みをこらえる顔。


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