PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


キィン、と甲高い音が鳴った。


ツルギが打ち合わされる。


突進のエネルギーを乗せた海牙さんの剣撃を、小夜子は長大なツルギであっさりと受け止めて、はじき返した。



小夜子の全身が光と風を発した。


花びらの目隠しが吹き飛ばされる。



宙返りして降り立った海牙さんが、再び攻撃する。


腕の動きが見えないほどのスピード。


キィン、とツルギが鳴る。


海牙さんのツルギは小夜子に阻まれる。



「無駄よ、玄武。わたしを傷付けようだなんて」


「まだ本気を出してないんですけどね」



電光石火の連続攻撃。金属が打ち合わされる音が続く。


短いツルギを振り回す海牙さんの素早さは、まだ理解できる。


でも、小夜子の速さは異常だ。


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