PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
小夜子がツルギを振り上げる。
一気に終わらせないのは、いたぶることを楽しんでいるから。
夜空に懸かる満月。
あの巨大な球体が、小夜子の宝珠。
ツルギの柄頭できらめく四獣珠とは、桁が違う。
衝撃波が襲ってきて、長江先輩とわたしは防ぐことしかできない。
海牙さんが飛び出していく。
一合、二合。剣を交わして、はじき飛ばされる。
その手からツルギがこぼれ落ちた。
小夜子がクスクスと笑った。
「いいことを思い付いた。先に四獣珠のほうを壊すの。預かり手はチカラを失う。あなたたち、本当に何もできなくなるわ」
小夜子がふわりと宙を滑る。
玄獣珠のツルギのそばに降り立つ。