PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


海牙さんはふらつきながら起き上がって、駆けた。


低く跳んで、玄獣珠に手を伸ばす。



ツルギをつかんだ海牙さんの手を、小夜子が踏み付けた。



「チカラ、嫌っているんじゃないの? 玄獣珠はあなたのストレス源でしょう? いらないんじゃない?」



海牙さんは強がるように笑った。



「あなたに心配される筋合いはありませんよ」


「壊してあげるって言ってるのに」


「足をどけてもらえませんか」



小夜子は言葉を受け入れた。


足を上げて、次の瞬間、海牙さんを蹴り飛ばした。


小夜子は笑いながら、ふわりと跳び上がる。


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