PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「やっぱり両方ね。四獣珠も壊すし、預かり手も殺す。安心して。長い時間、苦しませたりはしないから。月が沈むまでのうちに片付けてあげる」
満月が沈むのは早朝五時ごろのはず。
そのギリギリまで、もてあそぶつもり?
恐怖にとらわれそうになっている。
預かり手の役割を果たせるとも思えない。
青獣珠だっておびえている。
奇跡の宝珠であっても、破壊の幻覚が怖いんだ。
海牙さんは立ち上がれない。
長江先輩が海牙さんを背中にかばって、必死の表情でわたしを呼んだ。
「鈴蘭ちゃん、チカラ使って! 海ちゃんの傷を治してやってよ!」
わたしはうなずく。
怖いけど、わたしにできることを放棄したくない。