PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


青い光に念じる。


海牙さんに触れて、呼吸のリズムを知って、痛みを吸い出す。



「…………ッ!」



経験したことのない激痛に、声も出ない。


骨が焼け付くほどに痛む。


傷めた関節がズキズキと拍動する。



長江先輩の熱波が小夜子の衝撃波を撃ち落とす。


朱獣珠から漏れ出る炎で、空気が熱い。



相殺しきれなかった衝撃波が吹き抜けた。


長江先輩がくぐもった悲鳴をこぼす。


でも、ひざを屈しない。



「女の子とケンカなんてね~。姉貴に知られたら、殴られるわ」



長江先輩は冗談さえ口ずさんでみせた。


< 476 / 555 >

この作品をシェア

pagetop