PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
青い光に念じる。
海牙さんに触れて、呼吸のリズムを知って、痛みを吸い出す。
「…………ッ!」
経験したことのない激痛に、声も出ない。
骨が焼け付くほどに痛む。
傷めた関節がズキズキと拍動する。
長江先輩の熱波が小夜子の衝撃波を撃ち落とす。
朱獣珠から漏れ出る炎で、空気が熱い。
相殺しきれなかった衝撃波が吹き抜けた。
長江先輩がくぐもった悲鳴をこぼす。
でも、ひざを屈しない。
「女の子とケンカなんてね~。姉貴に知られたら、殴られるわ」
長江先輩は冗談さえ口ずさんでみせた。