PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
小夜子が小首をかしげて微笑んだ。
ワンピースのすそが可憐になびいた。
「朱雀のその余裕、いつまで続くかしら?」
ほっそりとした腕が、不釣合いに長大なツルギを正面に突き出した。
切っ先から光線がほとばしる。
単発の衝撃波じゃなくて、切れ目のない光線だ。
熱波が迎え撃つ。出力し続ける。
じりじりと押される。
海牙さんが、まだ傷のふさがらない体を起こした。
「十分です。ありがとう」
わたしは息を吐き出した。
痛みの残像で、めまいがする。
チカラを使った全身から体温が奪われて、だるい。
長江先輩がうめいた。
「これヤバい。二人とも早く逃げて」