PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
長江先輩の体が震えている。
ずいぶん消耗していることに、今、気付いた。
チカラを使い続けている。疲れていて当然だ。
「長江先輩……」
「遊ばれてるよ。パワーが違う」
わたしはツルギの柄を握りしめた。
何かしないと。どうにかしないと。
海牙さんが長江先輩の腰をつかんで、わたしに目配せした。
「逃げますよ」
わたしはうなずいた。全速力で走る。
海牙さんは逆方向へ、長江先輩を小脇に抱えて跳ぶ。
わたしたちの背後をエネルギーが吹き抜けた。
熱波を呑み込んだ光線がフェンスに穴を開けた。