PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


長江先輩の体が震えている。


ずいぶん消耗していることに、今、気付いた。


チカラを使い続けている。疲れていて当然だ。



「長江先輩……」


「遊ばれてるよ。パワーが違う」



わたしはツルギの柄を握りしめた。


何かしないと。どうにかしないと。



海牙さんが長江先輩の腰をつかんで、わたしに目配せした。



「逃げますよ」



わたしはうなずいた。全速力で走る。


海牙さんは逆方向へ、長江先輩を小脇に抱えて跳ぶ。



わたしたちの背後をエネルギーが吹き抜けた。


熱波を呑み込んだ光線がフェンスに穴を開けた。


< 478 / 555 >

この作品をシェア

pagetop