PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


「あなたがそんなこと言うの?」


「わたしだから言うの! 三日間を何度も繰り返して、痛いほどわかった。人を好きになる気持ちがわかった。

片想いをして、傷付いて、すごく苦しくて、煥先輩に嫌われてるし、迷ってばっかりで、間違ってばっかりで、恥ずかしいことばっかりで……」



後先考えずに放った言葉は、やっぱり迷子になる。


小夜子がわたしを見つめて、そして、目をそらした。



「あなたのこと嫌いよ」



嫌われても仕方ない。でも。



「わたしは小夜子に憧れたよ。嫉妬するくらい憧れた。まっすぐなところ、うらやましいと思った」



長江先輩と海牙さんもこっちへやって来た。


警戒する距離をとって、ツルギを油断なく握りながら。


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