PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「人魚姫みたい」
目覚まし時計が朝を告げている。
まるで夢から醒めるように、わたしは目を開けた。
ここは、わたしの部屋だ。
わたしは、騒ぎっぱなしの目覚まし時計に触れた。
レトロなアラームが黙り込む。
ベッドから起き出して、勉強机の上の三日月ストラップのケータイを、カパッと開く。
四月十五日、午前六時四十分。
「最初に戻った」
ケータイには、新着メールが一通。
送信者は寧々ちゃん。
わたしはメールを開封した。
頬の赤い黒熊のイラストが踊っている。
〈お嬢おはよー! いつものとこでOK!?〉
〈おはよう。寝坊しないで起きたよ。また後でいつもの場所で〉