PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
聞いたことのある会話を聞きながら歩いていく。
角を曲がって、襄陽学園が見え始める。
そして、視界に入った後ろ姿。少し長めの銀髪。
「煥先輩……!」
わたしは寧々ちゃんにカバンを押し付けて走り出す。
「ちょっ、お嬢!」
ごめん、寧々ちゃん。
でも、今はこっちが大事だから。
「煥先輩!」
わたしの声に、煥先輩が振り返った。
「ああ、あんたか」って目をする。それだけでも十分。
ニッコリしてくれるなんて思ってないし。
「無事か?」
「はい」
「青獣珠も、もとに戻ったか?」
「はいっ」
「こっちも、もとどおりだ。ブルームーンからのメールも来てねえ。あんたには放課ご……」