PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


聞いたことのある会話を聞きながら歩いていく。


角を曲がって、襄陽学園が見え始める。


そして、視界に入った後ろ姿。少し長めの銀髪。



「煥先輩……!」



わたしは寧々ちゃんにカバンを押し付けて走り出す。



「ちょっ、お嬢!」



ごめん、寧々ちゃん。


でも、今はこっちが大事だから。



「煥先輩!」



わたしの声に、煥先輩が振り返った。


「ああ、あんたか」って目をする。それだけでも十分。


ニッコリしてくれるなんて思ってないし。



「無事か?」


「はい」


「青獣珠も、もとに戻ったか?」


「はいっ」


「こっちも、もとどおりだ。ブルームーンからのメールも来てねえ。あんたには放課ご……」


< 504 / 555 >

この作品をシェア

pagetop