PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
煥先輩はちょっとの間、口をつぐんだ。
迷うような気配があった。
それから、煥先輩はキッパリした口調で言った。
「タイミングとか巡り合わせとかって、あるだろ? あのメールは特別なタイミングだった。それだけだ」
煥先輩が悩んでいた朝にメールが届いて、メールが届いた日にわたしが現れた。
勘違いしたままだったら、もしかしたら、煥先輩はわたしを特別な存在にしてくれた?
もしも小夜子が普通の女の子で、ブルームーンの正体が小夜子だとわかったら、煥先輩は小夜子を好きになった?
何かに似ている、と思った。
何だっけ?
じっと考えて、思い当たった。