PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


「人魚姫みたい」


「あ?」


「海で溺れる王子さまを救ったのは、人魚姫。王子さまは、浜辺で目を覚ましたときにそばにいた人間の女の子を命の恩人だと勘違いする。

人魚姫は真実を告げることができずに、王子さまは人間の女の子と結ばれる。人魚姫は海の泡になって消えてしまう」



小夜子は人魚姫だ。


月の光になって消えてしまった。


王子さまはブルームーンを大切に思っていたのに、それを知ることもないまま小夜子はいなくなった。



煥先輩はかぶりを振った。



「意味、わかんねぇよ」



心底わからない、って言い方だった。


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