PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―

「オレも同じだ」



寧々ちゃんからメールが来ていた。



〈ゴメン! やっぱ一緒に帰れないよ。今から弓具店に行ってくるね。また明日!〉



ホッとしてしまった。


わたしは今、誰にも会えない状況だから。


不安すぎて、頭が働かなくて、変なことを口走りそうで怖い。



寧々ちゃんはわたしのチカラを知ってる。


尾張くんも、順一先輩も。


でも、誰にも言いふらさないし、変な目で見たりもしない。



三人ともアーチェリーの練習やケンカのせいで、しょっちゅうケガをする。


でも、わたしのチカラを頼ってこない。



「だって、お嬢が痛い思いするんでしょ? それはイヤだよ。あたしらは慣れてるからいいけどさ」



寧々ちゃんはそう言ってくれる。


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