PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
チカラを怖がらない人もいる。
悪用することもなく、普通に接してくれる。
文徳《ふみのり》先輩もそんなふうだと思いたい。
でも、違ったら?
文徳先輩に化け物扱いされたくない。
文徳先輩が化け物扱いするところを見たくない。
その両方の思いで、わたしの胸はふさがっている。
不安で不安で仕方がない。
わたしはカバンからポーチを出した。
水色の生地に白い小花模様で、寧々ちゃんと色違いのお揃いだ。
中には、ツルギの柄の形をした青獣珠を入れている。
「大丈夫、わたしは大丈夫。青獣珠の預かり手として、しっかりしなきゃ」
うずくまっていても仕方ない。
わたしは立ち上がった。