PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
言うだけ言って、ハッとして、真っ赤になったさよ子が逃げ帰ってくる。
「きゃぁぁぁ、勢い余りすぎたよぉぉぉ!」
大事故。盛大すぎる大事故。
教室のみんなが聞いていた。
煥先輩が呆然としている。
目の前にさよ子が現れただけでもショックがあるのに、一昨日はわたしで今日がさよ子と、立て続けに、派手な噂が立つ事態に陥っちゃって。
長江先輩がわたしを手招きした。
「鈴蘭ちゃん、あれ、何?」
「平井さんの娘さんだそうです」
「はぁぁっ? やってくれるよ、平井のおっちゃんも。さっき突然、電話してきてさ~、鈴蘭ちゃんのクラスにあっきー連れてけ、って言われたわけ」