PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


煥さんの答えは若干、的外れだった。


さんざん真っ赤になって逃げ回った挙句の一言。



「選んだわけじゃねぇよ。ほかの誰かと比べたわけじゃなくて、オレの前には最初から鈴蘭しかいなかった」



唯一の存在だと言ってもらって、もちろん嬉しかったけれど、危なっかしいとも思った。


危機管理が甘すぎる。


女の子からのアプローチにここまで鈍いだなんて。


煥さんを巡るライバルは、さよ子を始め、ほかにもたくさんいたというのに。


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