PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


幸せがあふれる。


胸がいっぱいになって、言葉が出なくて、わたしはただうなずいて、二人の手を取った。



煥さんがそっと微笑んだ。


その甘い形の唇で、わたしの手の甲にキスをする。



「ふられなくてよかった」



冗談みたいな言葉だけれど、たぶん本気。


この人はいつだって、わたしの恋に対して鈍感だから。



突然。


カシャカシャ、と重なり合って響くシャッター音。


びっくりして、音のほうを見ると、みんながいた。



文徳先輩と亜美先輩、長江先輩、さよ子、海牙さん、寧々ちゃんと尾張兄弟、牛富先輩、雄先輩、その彼女さんたち。


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