PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
記憶が途切れている。
路地で赤い特攻服の男を刺した瞬間に何もかもが消えて、そしてどうなったのか。
「そうだ、日付! ケータイ!」
記憶が飛んでいるなら、今日は四月十六日以降だ。
それに、わたしが殺人を犯したならニュースになっているはず。
どっちにしても、ケータイですぐにわかる。
わたしは、騒ぎっぱなしの目覚まし時計に触れた。
レトロなアラームが黙り込む。
ベッドから起き出して、勉強机の上の三日月ストラップのケータイを、カパッと開く。
四月十五日、午前六時四十分。
新着メールが一通。
送信者は、寧々ちゃん。
「四月、十五日?」
昨日の日付だ。