PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
反射的に、わたしは返事をした。
「おはよう。起きてます。着替えてから食堂に行く、と母に伝えて」
「かしこまりました」
昨日と同じ朝? それとも、ただの、いつもと同じ朝?
すでに四月十五日を過ごしたと思ったのは、わたしの記憶違い?
これはデジャヴ?
わたしの中から違和感が消えない。
けれど、母もメイドさんも門衛さんも、何の違和感も持っていないように見える。
家を出て坂を下って、コンビニの前に寧々ちゃんを見付ける。
「おはよう、寧々ちゃん。待たせてごめんね」
「おはよ、お嬢! あたしもついさっき来たとこだよ。ん、寝不足? 顔色、悪くない?」
コンビニから尾張くんが出てくる。
「おす、安豊寺、おはよーさん!」