PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


反射的に、わたしは返事をした。



「おはよう。起きてます。着替えてから食堂に行く、と母に伝えて」


「かしこまりました」



昨日と同じ朝? それとも、ただの、いつもと同じ朝?


すでに四月十五日を過ごしたと思ったのは、わたしの記憶違い?


これはデジャヴ?



わたしの中から違和感が消えない。


けれど、母もメイドさんも門衛さんも、何の違和感も持っていないように見える。



家を出て坂を下って、コンビニの前に寧々ちゃんを見付ける。



「おはよう、寧々ちゃん。待たせてごめんね」


「おはよ、お嬢! あたしもついさっき来たとこだよ。ん、寝不足? 顔色、悪くない?」



コンビニから尾張くんが出てくる。



「おす、安豊寺、おはよーさん!」


< 66 / 555 >

この作品をシェア

pagetop