PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


この先の展開を、わたしは知っている。


今日が昨日と同じ日なら、もうすぐ文徳先輩に会える。



そしてやっぱり、襄陽学園の塀のそばで、昨日と同じ情景を見た。



「文徳先輩……」



寧々ちゃんがわたしを肘でつついた。



「お嬢、挨拶しに行っちゃえば?」


「ええっ?」


「そんなにビビらないの」


「だ、だって」



わたしのチカラを文徳先輩に見せた。


気持ち悪がられるかもしれない。



でも、どうなんだろう?


癒傷《ナース》を使ったのは、十五日の放課後。


今が本当に十五日の朝なら、文徳先輩はまだ何も見ていない。



女子の先輩二人が駆けていって、文徳先輩に挨拶する。


文徳先輩はにこやかに受け答えしている。


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