オネェと私の恋
1、はじまりは
さらさらと風にたなびく様子はさながらシャンプーの宣伝のようだ。そして、唇は女子が思わず嫉妬せんばかりのうるうるでつやつや。
「ズルい、その唇。
私なんか、唇なんてカサカサで荒れまくりなのに。」
思わず待ち合わせに遅れたことよりもこの視線の的になっている生物学上、男。そう男なのだ。思わず皮肉が先に出てもしょうがないと私は、思う。
「しょうがないでしょ、優香は。何にも努力しないからよ。全く女子ってだけで許される存在ってことをありがたく思いなさい、もうっ。」
もうっと言っているのは肩幅しっかり、胸というより胸板も厚い男性。
ちなみに身長は186センチ。
女子でも170センチと高い部類に入る私ですら見上げないと無理なこの男。
格好も今年の秋ファッションのトレンドであるグレイのカーディガンにチェック模様のシャツ。
そこに細身のジーンズとエンジニアブーツを合わせた上級コーデ。
駅で待ち合わせたので、電車が止まる度に雑誌の撮影かと立ち止まる通行人がちらほらと視線を投げかけてくる。
これは先程の出来事や今の会話のせいでもある。
「ズルい、その唇。
私なんか、唇なんてカサカサで荒れまくりなのに。」
思わず待ち合わせに遅れたことよりもこの視線の的になっている生物学上、男。そう男なのだ。思わず皮肉が先に出てもしょうがないと私は、思う。
「しょうがないでしょ、優香は。何にも努力しないからよ。全く女子ってだけで許される存在ってことをありがたく思いなさい、もうっ。」
もうっと言っているのは肩幅しっかり、胸というより胸板も厚い男性。
ちなみに身長は186センチ。
女子でも170センチと高い部類に入る私ですら見上げないと無理なこの男。
格好も今年の秋ファッションのトレンドであるグレイのカーディガンにチェック模様のシャツ。
そこに細身のジーンズとエンジニアブーツを合わせた上級コーデ。
駅で待ち合わせたので、電車が止まる度に雑誌の撮影かと立ち止まる通行人がちらほらと視線を投げかけてくる。
これは先程の出来事や今の会話のせいでもある。
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