オネェと私の恋
玲雄は、そんな落ち込む私をよそにお得意の毒舌を放った。
「あら、あれぐらいの大きさじゃないと私をオトコと勘違いしたメス猫どもがうろうろしていたからよ。それにあたしは、ゆるふわ系にしつつ、黒目を大きくするコンタクトで勝負しようっていう態度が気に入らなかったからよ。何か問題があって?」
そう、玲雄の最大の欠点はこの毒舌なのだ。
そして、独自の審美眼を持っている為、下手な恰好で声をかけようものなら、「その顔に似合わない、お洋服を着替えてからいらっしゃい。」という始末。
その光景を私は、何度か目撃している。そして、私も昔はダメ出しをよく食らっていた。
またの名を「玲雄様のファッションチェック」と言うらしいと後日、友人に聞いた。
一昔前のテレビの番組じゃないだからと思いつつ、チャレンジする女性はあとを絶たない。
< 5 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop