オタ男子隆司
その声の主はカラーボックスから2メートルくらい離れていて四人掛けの椅子に座っている三人組の男。


話し声が大きく店内に響きわたるぐらいに話をしている。

話の内容はこうだ。


「三年続いたけど変わった女で会話が成立しないんだよな。アニオタだし、キメーよ。今時幼稚園児が見るようなアニメ真剣に見て涙流してるし。アニメフェスタにも連れていかれるしよー。でもHは最高。コスプレしてくれるし巨乳でEカップあるって言ってたな。ロリ顔でルックスは悪くないよ。リクエストに何でも応えてくれるぜ」

ガハハと笑いながら言った。
下品な奴だ。
顔は正直格好いい。TVに出演してるイケメン俳優に似てるし色白で長身。痩せてるけど筋肉質だしルックスはいい。


でも中身は最低だ。
言ってる内容ナツの事だろ?
三年も付き合って相手を侮辱する事しかできないなんて嫌な奴だ。


このまま殴りつけてやりたいが警察沙汰になったらナツに迷惑が掛かるし俺も多分、懲戒免職になるだろう。


俺は震える拳を必死に押さえて後ろを振り返ったナツに


「出よう」と肩を抱き寄せ急いで喫茶店を出た。
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