Heaven~第一章~
チッと舌打ちをすると「怖い女」と幸二がまた笑う。

「ちゃんと送ってよ」

そう言ってドアを開けると「分かってる」と獅朗が席をつめた。

「ただ送るために来たんじゃないんでしょ?」

「桐谷とは付き合ってるのか?」

「ちょっと、私が先に聞いてるんだけど」

「答えたら答える」

「何その俺様。付き合ってないよ」

「なのに、桐谷のとこに帰るのか」

「答えたんだから、あんたも答えてよ」

「あぁ、確認のためだ」

「確認って店で働いてるかってこと?」

「桐谷とのことだ」

「学とのこと?」

ピクッと獅朗の眉が動いた。

「あんたには関係ないじゃん」

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