Heaven~第一章~
「はぁ~」とわざとらしいため息が頭の方から聞こえてくる。


「真澄どけ。人と話す時はちゃんと顔を見ろ」


強い口調の男。


「おい」


その言葉と同時に私のスマホが取り上げられた。


「ちょ、ちょっと!」


黒髪に黒縁メガネのインテリっぽい男が眉間にシワをよせ私を見下ろしていた。


「人と話す時はちゃんと顔を見ろ」


同じ言葉を吐く。


「は?話す時はってあんたらと話ことなんてないけど」

「口の悪い女だな」

「初対面のあんたに言われたくない」


私は立ち上がり「スマホ返してよ」と彼の手からスマホを取ろうと腕を伸ばした。


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