Heaven～第一章～
変化が訪れたのそれからすぐだった。
バイト先には元々、挨拶以外する子なんて居なかった。
だけど、挨拶をすればそれなりの返事は返ってきていたのに……

誰も返事をしない。
真澄が来ていた時に、バイトに来て居なかった子でさえ反応はない。

何となく分かっていたことだけど、
理由を教えてくれたのは増子さんだった。

増子さんはお店の子を送迎してくれていた。
だからなのか、お店の子の情報は誰より早くて正確だった。

私が獅朗達の車で帰ったあの日。
No.1のリサさんから"椿を潰す"との勧告命令があったらしい。

それを増子さんに聞いた時は潰すって何？って感じだった。
潰すもなにも、No.1のリサさんの売り上げになんて程遠いし、リサさんのお客さんに何かをした訳でもないのに。
潰すって言われる覚えがない。　

そりゃ、協調性がないし、アルコールを飲まずにウーロン茶ばかり飲んでお店の売り上げにも貢献してないかもしれないけど……

｢どうしてですかね……｣

｢椿は周りは気にしないもんな｣

増子さんは運転しながら｢良い意味でな｣と笑った。


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