Heaven~第一章~
「リサはプライド高いからな」

「あ……そんな感じはしますけど、」

「あれだろう。こないだ店に来てた男って"Heaven"とかって言うとこの奴なんだろう」

「増子さん知ってるんですか?」

「名前だけな」

「へ~有名なんですね」

増子さんは驚いたように「知らねーの?」と後部座席に居る私をバックミラー越しに見た。

「知ってますけど、あんまり……興味ないし」

「まぁ、椿みたい子も居るだろうけど、こう言う業界に居る子達には興味の対象なんだよ」

「私が"Heaven"の人と知り合いだからですか?」

「ん、まぁ、それでなくても椿は桐谷の紹介で店の子達は羨ましがってるのに"Heaven"にも知り合いが居るとなれば、」

増子さんはお店の子達の意見を代弁しているようだった。

「リサは桐谷のこと昔好きだったからな。それを椿に取られたと思っている上にあんな奴が椿を指名してくれば、No.1のメンツが立たないって感じなんだろう」


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