Heaven~第一章~
ジュンナさんの気配を背中に感じギュッと瞳を瞑った。 
私がこうなるのをリサさんは知っていた。
もしバレたとしても、実際に私に手を出しているのはジュンナさんでリサさんじゃない。

自分が首謀者だとしても、しらを切ることは出来る。

何度も何度も背中に感じる痛み。
ピンヒールが背中に刺さる。

痛みには慣れている。
何度も何度も痛みを感じているうちに、痛みを感じることは無くなって行くのを知っている。

だから……
それまで耐えるしかない。

だんだんと遠退く記憶の片隅で、幼い子の泣き声が聞こえてくる。
大声を上げ「やめて!やめて!」と何度も同じ言葉を繰り返す。

小さな手で頭を覆い
小さな体を丸め

大きな力強い手から
長いしなやかな足から

自分を守っていた……

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