Heaven~第一章~
赤く腫れたそこを男が嬉しそうになぞる。

「どんだけSなのよ」

「そうでもないよ」

男はやっと私の両腕を自由にしてくれた。
痛む肩を撫でながら男との間に距離を置くように座り直した。

「大丈夫。もう何もしないよ」

両手を上げクスッと笑った。




「椿姫は……"堕天使"の桐谷学のモノ?それとも"Heaven"の久辺獅朗のモノ?」



この男の元にもあの噂が届いているんだろう。


「私、モノじゃないんだけど」

「ごめん。ごめん」

「何か勘違いしてるかもしれないけど、私は誰のモノでもないから」

私は学のモノでも、獅朗のモノでもない。
私は私だけのモノ……

ギュッと自分で自分の体を抱きしめた。


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