Heaven~第一章~
「なるほど。二人共ってわけ、か……」

「違うって」

「違わない」

クスッと笑って私を見つめる。

どうしてだろうか。
初対面なのにこの琥珀色を見つめると切なくなる。

その瞳に映るものが切なく感じる。

男は「あっ!」とわざとらしく声を上げた。

「そう言えばまだ伝えてなかったんだ。店は大騒ぎだろうね」

そう言ってポケットからスマホを取り出した。

「あんた、何がしたいの?」

「何が?」

男はスマホを弄りながら答えた。

「何が?って、私に学や獅朗の話しをして……」

「まぁ、後で教えてあげるよ。桐谷と久辺……どっちが早いだろうね」

ニヤリと笑いスマホを耳に当てた。

「あっ、桐谷?」

男の視線が私に向く。


< 147 / 250 >

この作品をシェア

pagetop