Heaven~第一章~
ゾクッと寒気がするほど嫌な感じの笑い。



「……桐谷の大切な人は預かってるよ。……椿姫に決まってるだろう」



男の耳元から学の声が漏れてくる。

「アハハ」と声を上げ笑ってから「自分で探しなよ。ヒントは……」

そう言ってから私から視線を外し「フォックスって言えば分かるんじゃない?あっ、ちなみに今から久辺にも連絡入れるからさ。どっちが早いだろうね。じゃあ」

フゥーと私を見つめ「次は久辺にかけるから」とまたスマホを耳元に当てた。

「ちょっと、」

男はシーっと人差し指を口元に当て「久辺に連絡したら教えてあげるよ」と笑った。

そして獅朗にも学と同じことを口にしてスマホを切った。

「よしっ、」

男はスマホをテーブルに置き私の居るベットの端に座った。

「で、説明してくれるんでしょ?」

睨みつけるように男に視線を向けた。


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