Heaven~第一章~
「そいつのこと縛って」

「はい」

部屋に入って来た男は学の両腕を縛り、また一礼して部屋から出て行った。

「情けないね~たかが女一人に……」

男はベットから立ち上がり二人の前まで行くと、視線を合わせるように屈み込む。

「ごちゃごちゃ言ってねーで、早く椿離せよ」

「ごちゃごちゃうるさいのは、桐谷の方だよ」

男は立ち上がり学の顎を蹴り上げた。
うっ、と低い声を出して学が後ろへと倒れた。


「ちょっと!あんた学に何すんのよ!」

私は足をバタつかせ男を睨んだ。

男は嬉しそうに私に視線を向けてから今度は獅朗に向かって「椿姫は桐谷の心配してるよ」と獅朗の後ろへと周り背中を蹴りつけた。

バンっとそのまま床に倒れた。

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