Heaven~第一章~
「気が強い割には素直だね」


真澄はニコッと笑って私を見つめた。

別に素直なわけじゃない。
早くその獅朗とか言う奴にあって、ねぐらを探したいだけだよ。
あのまま、あんたらと話しててもラチがあかなそうだったからね。

どのくらい走ったのだろう。
窓の外は見慣れない景色だった。


「あのさ……何時頃帰れる?」


誰に聞いた訳でもなかった。


「さぁ」

「さぁって……」

「獅朗次第だからな」

「は?」


黒縁メガネはそう答えそれからは何も言わなかった。


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