Heaven~第一章~
そして子供を宥めるように優しく背中をさすった。

少しずつ落ち着いて行く感情。
酸欠でクラクラと眩暈がする私の耳元で学が口を開く。

「な、椿……俺のこと心配したのか?」

コクンと頷くと「そっか、そっか、」とポンポンと私の頭を撫でた。

「椿が俺を心配してくれてるように、俺も椿が心配なんだよ。椿が傷つくのは耐えられねーんだ。分かるか?」

「……うん」

「分かるなら、もう無茶はするな。何かあったらすぐ俺に言えよ。迷惑かけるとかぐたらねーことは考えるな。分かったか?」

諭すように優しく……
学の気持ちが私の気持ちに染み渡って行くように、ジンワリと温かい気持ちになって行く。

「わか、った……」

「よしっ、じゃあ、傷の手当頼む」

「うん」

そしてまた学の口元の手当をした。

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