Heaven~第一章~
「獅朗、今どこに居るの?」

「あ?何だよ急に」

私はガラガラとドアを開けベランダから外の景色を見渡した。
マンションの外にある来客用の駐車場。
その駐車場に真っ黒のビックスクーターが止まってあった。
そして、そのビックスクーターに寄りかかるように獅朗がこちらに視線を向けていた。

「ちょ、ちょっと!何やってんの?」

「何が?」

「何がって、何やってんのか聞いてんの!」

「護衛?」

そう言ってククッと電話越しに獅朗が笑っている。
幸二が言っていた"知らねーの?"ってこのことだったんだ。

「そこで待ってて」

「何、会いに来てくれんの?」

「良いから動くな!」

駐車場に居る獅朗を指差し怒鳴った。

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