Heaven~第一章~
「悪いと思ってるなら付き合えよ」

「その言い方ずるい」

「そうでも言わねーと付き合ってくれないだろう?ほら」

ねじ込むようにヘルメットを被せ私の腕を引いた。

「しっかり掴まれよ」

獅朗が私の腕を自分の前に回しチラッと私に視線を送り、私がギュッと獅朗の背中に抱き着くと「落ちんなよ」とエンジンを掛けバイクを走らせた。

初めて乗るバイク。
思っていた以上にエンジン音はうるさい。

だけど、冷たい風が肌を撫でる。
速く流れて行く景色。
全てを体感出来る感覚。
思っていた以上に気持ち良い……――

学がバイクを乗り回している気持ちが少し分かる。

目的地に着いのか、
それとも獅朗の気がすんだのか、
バイクがゆっくり止まった。

それと同時に獅朗からゆっくり体を離した。




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