Heaven~第一章~
「桐谷とは上手くやってんのか?」

「上手くって言うか、別に付き合ってる訳じゃないから」

「まだそんなこと言ってんのかよ」

「だって本当のことだし」

「桐谷は何も言ってこねーの?」

「……別に何も」

「何だよそれ」

獅朗は不満そうに私を見てから「とりあえず、座れよ」と自分の隣に視線を落とした。

獅朗の隣は居心地が悪い。
ソワソワして落ち着かない。
初めて会った時から獅朗の瞳は苦手だった。

「居心地悪そうだな」

親しい仲じゃないのに、こうして私の気持ちを見透かすようなことを言ってくる。

「桐谷の隣りは居心地良さそうだけどな、」

何を思ってそんなことを言ってくるのか分からない。

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