Heaven~第一章~
「いや……学」

呟くような小さな私の声に男が振り向く。

絶望を映し出している瞳が真っすぐ私を捉え、



「お前、名前は?」



低い唸るような声を出す。



「……椿」



「乗れ!」


私は男に腕を捕まれ、そのまま学の乗る黒塗りの車に乗せられた。


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