Heaven~第一章~
男に寄りかかるように学が瞳を閉じている。


「ねぇ、学大丈夫だよね……死んだりしないよね。」


男は無言で私を見つめ、スーッと視線を外すように窓の外を見つめた。


「ねぇってば!」


泣きながら怒鳴る私にも男は何も言わない。

何でも良いから答えて欲しかった。
"大丈夫"と言って欲しかった。
目の前にあるものが絶望だとしても、
それでも少しの希望があるんだと教えて欲しかった。

ギュッと学の真っ赤に染まってしまった手を握った。





大丈夫……――
大丈夫……――

学は私を置いて逝ったりしないよね。
学は私を泣かせたりしないよね。

だって、
何時も笑ってろって言ってたもんね。



学……――。


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