Heaven~第一章~
「此処にいる奴はみんな椿……お前と同じ気持ちだ。此処に敵はいねーんだよ。分かるか椿?泣きたいなら泣けば良い。だけど、泣くのは今だけだ」

初対面のくせにふざけたことを言う。

「ふざけんな!分かったようなこと言うな!」

泣きながら怒鳴る。
呼吸がダンダン上手く出来なくなって来た。

ヒッヒッとしゃくり上げるような呼吸。
吸い込んだ空気を上手く吐き出せない。


「ちょ、椿、大丈夫か?」

「過呼吸です」

看護士さんの冷静な判断で袋を口に当てられ、空気が吐き出せるように指示を受けた。
そのおかげで上手く呼吸が出来るようなった。
だけど、クラクラと眩暈で……――



気がつけば私は真っ白い壁。
真っ白いベッド。
真っ白いカーテン。

私の視線に映りだされていた。


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