Heaven~第一章~
「大丈夫か?」

ベッドの脇にはパイプ椅子に蓮沼が座っていた。

「あっ、学は?」

上半身を起こしながら蓮沼に視線を送った。

「今、向こうの病室に居る……平気なら、会いに行くか?」

「良い、の?」

「ダメな理由がないだろう」

ベッドから降り蓮沼の後に着いて行く。
病室の前には堕天使のメンバー。
みんな蓮沼に気付くと頭を下げ道を開けた。

「入れ」

蓮沼が病室のドアを開け私の背中を押した。

「外に居るから、最期にしっかり話して来い」

入口からベッドに視線を向けると真っ赤な血は綺麗になっていた。

ゆっくり学に近寄った。
込み上げる涙をそのままに、少しでも長く学を見つめていたくて。


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