Heaven~第一章~
「……学」



名前を呼んでも
もう答えてはくれない。

一緒に笑うこともない。
笑い声も聞けない。



ゆっくり腕を伸ばし学に触れた。

あんなに温かくて優しい気持ちにさせてくれた学はもう居ない。
触れた指先からはヒンヤリとした感覚。


学……――


いくら泣いても
もう涙は拭ってくれない。

いくら話したくても話してはくれない。


学……――


< 222 / 250 >

この作品をシェア

pagetop