Heaven~第一章~
「生きてたか!」


笑えない冗談を言って蓮沼が立っていた。


「何、その格好」


真っ黒の髪をワックスで整え喪服を着ていた。


「あ?通夜だよ」


そう言うと勝手に部屋へ上がり込んでくる。

「早く着替えろ」

「着替えろって何?」

「通夜って言ったろう。お前も行くんだよ」

「……行きたくない」

学の通夜なんて行きたくない。


「何ガキみてーなこと言ってんだよ。ほら」

蓮沼は持っていた黒い物を私に投げ渡した。

「喪服持って来たからそれに着替えろ」

ソファーに座るとカチンっとジッポを鳴らす。

「あっ、お前タバコ……」

「……大丈夫」


どうして私が火が苦手だってことを蓮沼が知ってるんだろうか。
不思議に思っていると、蓮沼が火を付けジッポ特有の香りが匂って来た。



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