Heaven~第一章~
「何で……私が、」

「あ?」

「私、メンバーでもないし。学の彼女だった訳でもないんだよ」

「んなこと知ってるよ。何年桐谷と居たと思ってんだよ」

白い煙りと一緒に言葉を吐き出すと





「お前は桐谷の大切な女だろう?」




その言葉に胸が熱くなる。
ジンワリと目頭が熱くなる。


「理由はそれだけで充分だろう」


そう言うと早くしろと言わんばかりに私に背中を向けた。

蓮沼に気付かれないように涙を拭い、蓮沼が持って来た喪服を掴み寝室へと着替えに入った。




そして学の通夜へ……――


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