Heaven~第一章~
誰もが学との別れを惜しんでいる。


「学って人気あったんだね」

「だな」と隣に居る蓮沼が笑ったのが分かる。

「だけど、死んだら終わりだ。全部過去になっちまう」


そう言うと学に背中を向け駐車場へと歩き出した。

良く知らない蓮沼の背中が悲しいと泣いている。
寂しいと泣いている。

涙は流していなくても、
全身から伝わってくる想い。

私も蓮沼も同じ。
この悲しみをどこにぶつければ良いか分からない。

もどかしくて、もどかしく仕方ない。




もう2度と会うことのない学を想うしか出来なかった。

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